
銹絵椿文輪花向付
乾山窯 江戸時代 18世紀
口径14.2cm 高5cm
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乾山の銹絵輪花向付です。
全体に白化粧を施して、銹絵で草花文と詩賛が描かれています。花は椿もしくは山茶花でしょうか。花の葉はにじみ、漢詩に迫りくるような筆致で生き生きと描かれており、たらし込み風の効果も味わい深いです。このような文様は中国華北の磁州窯の鉄絵装飾から影響を受けた絵高麗写しの一種と云われます。
なお、本作は何客揃いかの器として当時制作されたようです。本展で販売する作品は、こちらの金継ぎの一客かぎりなのですが、同時に焼かれた向付をお客様からのご厚意によりお借りさせていただきました。その向付も矢代さんの手で銀継ぎ修繕が施されています。銀継ぎの向付は展示のみとなりますが、最終日までご覧いただけますので、同様な器に施された金と銀の二つの繕いをお楽しみください。
また、その銀継ぎには別の詩賛が描かれており一客ごとに異なる漢詩であったと窺えます。そうした文様や筆勢などから鳴滝窯時代の初代乾山の作品ではないかと考えています。特定は困難ですが、ともに凝った器形と錆絵は素晴らしいものです。もしも完器なら普段の自分が扱うには分不相応ですが、金継ぎ展こその良いご縁をいただきました。
矢代さんの渾身の金継ぎが乾山の筆致とぶつかり合いながら力強く共鳴しています。本展の重要作品です。ぜひ会場にてご覧ください。
