山本美文展
OUR RENOVATION
2014.6.28 sat - 7.13 sun
作家在廊日 6.28 (土)
会期中休業日 7.1 (火) , 7.8 (火)
再生漆椀
修繕される道具と楽器
白漆のパン皿
オリーブのカトラリー
定番の作品
小家具 など
本田のフランス古道具
五月の月曜日。
美文さんの工房に入ると、バンドネオンの音楽が風に乗って流れていた。
瀬戸内海の傍で、ここでは、柔らかく丸い時間が静かに過ぎている。
あるべきところへ収まり、整頓された道具の並んだアトリエの風景は、透き通った水のようで、清らかで美しかった。
使い勝手を考えると、自然と生まれるデザイン。心地良く使えたら、必然的に出番は増えて、そのモノを愛おしく思う。
そして、日々使われるものは「美しさ」をいつの間にか備えている。
美文さんの木工と生活は、瀬戸内の海の傍でつくられ、今日も同じ瞬間を刻んでいく。
今回は捨てられていた旧い漆の下地(椀)を修繕して新たに命を吹き込む漆器が中心に並ぶ。
下の写真は、長野県の古い小学校の音楽室に眠っていたオルガン。
漆が塗られ、再び美しい姿を取り戻した時にどんな音色がするだろう。
アワーリノベーション。
シェーカーも、修繕された道具や楽器も、僕がフランスで出会った古道具も、
全てが時空を超えて、ひとつの音色が奏でられることを願って。
本田 慶一郎