
ピエタ木彫像
フランス16世紀頃
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渡仏直後に出会ったピエタ像の木彫刻。
憂愁にとざされた聖母マリアではあるけれども、どこか穏やかで若々しい顔立ちを覗かせる。目深に被ったしなやかなヴェールから、頬と瞳に落ちる陰影。木彫でありながら、丸みを帯びた柔らかな表現や、その憂いを湛えた表情にとても心惹かれています。
中世末期、およそ1500年代にフランスで作られたと考えられる彫像です。
改めて自然光で眺めると、深緑や濃紺のような往時の彩色が微かに残っていたことに気付きました。ゆったりとしたヴェールの衣文や、そこからマリアの沈思する表情に落ちる陰影も美しく表現されています。
キリストを膝に抱える悲哀の姿ですが、慈悲の心を表した、この聖母マリアの顔立ちは、宗教や時代や国を超えて、今も私たちの心を打つように思うのです。
