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「本田の眼、矢代昇吾の手」

2023年 12月9日(土)〜12月24日(日)
12時〜17時
会期中の休業日13(水),14(木),20(水),21(木)

 

割れていても歴史の断片であるような、古く惹かれる東西の白い陶磁器を、数年ほど集めていました。

真っ二つのこわれもの、粉々の壺に、ひび割れた茶碗や酒盃など。そのままでは使えない、使いづらいものばかりですが、

長い時を経て生まれたヒビの線、カケたりワレたりした姿形は、人の手でつくられた器へ、緩かな線描をもたらし、工芸品のなかに、自然物のようなよさを感じることもあります。

そうした割れざまにも注目しながら、残していきたいと感じたものを、金継ぎ師の矢代昇吾さんに修繕していただきました。

 

矢代さんはプロダクトデザイナーでもあり、また、長年にわたり古物や西洋工芸に親しんでこられました。

その慧眼によって、生みだされた鈍色のピューターを彷彿とさせる直しや、大理石の粉を用いた白デルフト直しの特異な風合い。線にきびしい、デザイナーの視点も加わり、依頼者の要望と器の用途に応じて必然的な線を見極める、加飾をひかえた金継ぎの仕事です。

一般的に古陶磁は、完璧な状態こそ佳品とされますが、丁寧に繕われたものには、あらたな美が宿る、そんな気もしています。瑕を厭わず捜し、手間をかけて修繕した、二人の眼と手でつくる展示会です。皆様のお越しを心よりお待ちしております。
白デルフト壺
1700年前後
高10.5cm

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